こんにちは。めいです。
本日は、フリーランス国際協力師の原貫太(はらかんた)さんの最新著書『あなたとSDGsをつなぐ「世界を正しく見る」習慣』をご紹介します。
本書は2週間前の2021年12月16日に刊行されたばかりですが、Amazonレビュー34件のうち96%が星5つという驚異的な評価を受けています。
私もぜひみなさんに読んでほしい!と思った1冊ですので、こちらで紹介させてください。
SDGsの先にある社会問題と私たちのつながりを考える
SDGs(Sustainable Development Goals)という言葉をビジネスや日常生活で耳にすることが増えてきました。SDGsは持続可能な開発目標と訳され、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。貧困や教育、ジェンダー平等など17の目標が掲げられ、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
SDGsの認知度が高まり、世界に関心を持つ人が増えることは嬉しいものの、「SDGsにどうやって関わるか?」から議論が始まっていることに違和感を感じているという著者の原さん。原さんは学生時代から国際協力活動を通じて社会問題の解決に取り組んでいるからこそ感じた違和感なのかもしれません。
私たちがまず初めにやるべきなのは、SDGsの先にある社会問題と自分との繋がりを知り、内から湧いてくる問題意識を持ってSDGsに目を向けることです。
「はじめに」より
貧困や環境問題などの社会問題は、日本で暮らしていると自分とは関係のない遠い話だと思いがちですが、むしろ私たちがその原因を作り出している可能性があるというのがこの本の問題提起になります。
・私たちが「新品の服」を求め続けると、バングラデシュの悲劇が繰り返されるかもしれない
・私たちが「肉食」を続けると、世界で「水戦争」が起きるかもしれない
・私たちが「スマートフォン」を買い続けると、コンゴの性暴力が悪化するかもしれない
本書の中でも私が一番衝撃を受けて考えさせらた内容を次でご紹介します。
アフリカはなぜ今も経済的自立ができないのか
アフリカの困っている人たちに古着を寄付して支援したい
こう思って、実際に古着を寄付された方もいらっしゃるかもしません。
私も古着を寄付したことがあり、「これで困っているアフリカの人たちを助けられるなら、いいことしたな♪」と思った記憶があります。
実はこの寄付は、助けになる可能性もありますが、アフリカ地場の繊維産業を育たなくする原因にもなりうると本書では語られています。
現地の人たちは、先進国からの古着を格安、またはタダで手に入れることができるため、現地で生産する衣服では太刀打ちすることができずに繊維産業の成長が妨げられているという側面があります。繊維産業で関わる人達の失業に繋がっているのです。
タダ同然でモノが手に入るのなら、自分で努力していいものを作り出そうという思いも湧いてこなくなりますよね・・・
また大量に古着がアフリカに送られれば、不要な古着はアフリカで処分する必要があります。処分するための土地や費用を彼らが負担しなければなりません。現地のニーズに合わない、ニーズ以上のモノを送るのは、ゴミを彼らに押し付けていることになります。
自分は寄付を受ける立場の人のことを本当に思って古着を寄付できていたのだろうか、と少なからずショックを受けました。現地の人の自立を促すのであれば、その国の産業発展を支援できる寄付があったのではないかと思います。もちろん、紛争や災害で本当に衣服を必要としている場合もあると思いますのでヒャクゼロで良い悪いは決められません。しかし寄付にはデメリットの側面もあることを知った上で、私たちはどのように行動するかを判断しないといけませんね。
まずは知ること、そして関心を持ち続けること
原さんが本書で繰り返し伝えているのが「関心を持つこと、そして持ち続けることの大切さ」です。
社会問題は、人々に認知されて初めて社会問題となるとため、まずは知ること・関心を持つことで解決すべき問題を浮き彫りにできます。そしていっときの関心ではなく継続して関心を持ち続けることで、いつか自然と次の行動につながるはず、と原さんは書かれています。
本書を通じて、少しでも社会問題に関心を持ち続けられる人が増えたら、SDGsの達成は近づいてくるのかもしれませんね。
まとめ
上記で紹介した以外にも、衣服の大量廃棄、スマートフォンと紛争の関係、日本の貧困など、原さんのYouTubeで特に反響の大きかった社会問題が取り上げられています。
少しでも興味を持った方は、本書を手にとっていただけると嬉しいです。(回し者ではありませんw)
原さんのYouTubeでも様々な社会問題を取り上げていますので、ぜひご覧になってみてください。丁寧にデータを用いながら、一方的な見方にならないよう配慮して動画を作られています。
ではでは、次回の書評でお会いしましょうー
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